>>作者本人確認画像

「夏の思い出」


制作: build ◆T5aSKTck5s
関連スレ: ■■■■■■食玩カモンッ!■■■■◆■
使用キット: カバヤ・昆虫パーク2003ガム(食玩)


よほど珍しいのだろう。
都会育ちの甥っ子は、今朝がた二人で採ってきたカブトムシを少しも離そうとしない。
先程からは角にミニカーを結び付けて引かせている。私もよくやったものだ。

夏休みを利用してこちらにやって来てきょうで三日。
近所の子供たちとは早くも顔馴染みのようだ。
カブトムシを虫かごに入れ、一緒に遊びに行ってくると飛び出していった。
もう日は高いが、虫採り名人の子でもいればもう1〜2匹かごに仲間を増やして帰ってくるだろう。

姉が井戸で冷やしておいたスイカを切ってきた。
「やっぱりいいところよねぇ。ここは。」
「ああ。義兄さんも来れればよかったのにな。」
「あの人は仕事ばっかりで・・・。どうも会社もよくないみたい・・・。」
「そうか。どこもたいへんなんだな。
でもさ、いざとなったらこっちに来たらいいじゃないか。この家なら3人ぐらい増えたってわけはないし、畑の一つも手伝ってくれたらそれでいいんだけどなぁ。」
「ウフフ。あの人が何て言うかしら。
でもホント、タンペイのあんなにうれしそうな顔、久しぶりに見たわ。」



裏山から聞こえる蝉時雨に交じって、金属バットの快音が響く。
我が母校は甲子園大会には行ったことがない。今年も早々に負けてしまった。
どうやら二年生が本格的に練習を始めたようだ。

麦わら帽を頭にのせ、畑へと向かう。
きょうも、暑くなりそうだ。